要注意の薬剤

●抗ヒスタミン薬(抗コリン薬)

総合感冒薬のPL顆粒 成分はプロメタジン
 これらの成分は、市販のかぜ薬にも含まれるので要注意です。
 私の外来にも、ある日高齢女性が、突然家の片隅を指さして「猫がいる!」と言ったり辻褄が合わない言動をして、家族に連れてこられたことがありました。これまで特に認知症と診断されたことがない方だったのでせん妄を疑い、
「何か新しい薬を飲みませんでしたか?」
と確認したところ、PL顆粒を飲んでいたというエピソードがありました。

 

●抗うつ薬(抗コリン薬)

・三環系抗うつ薬
・パロキセチン
注意すべきは、レビー小体型認知症などでは、全体的に暗く元気がない雰囲気となるので、老年期うつ病と診断されてしまい抗うつ薬が処方されてしまうことがあることです。抗うつ薬には、副作用として認知機能低下、せん妄があり、元々の症状が薬によって更に修飾されてしまい兼ねません。

 

●過活動膀胱薬(抗コリン薬)

 高齢で尿が近く頻繁にお手洗いに行くという方は、実に多いです。
 既にこの薬を飲んでいる場合、本人や家族に効果を実感しているかを聞いてみます。効いているのか効いていないのかよく分からないけれど、漫然と飲んでいる…というケースは多いです。減らすことに不安を感じていそうな場合は段階的に減量するのも一つです。

 

要注意の薬剤

 

●胃薬(H2ブロッカー)

「私は胃が弱いから、なんとなく胃薬がないと心配で…」と言ってずっと飲み続けている方が意外といます。しかし日常的に制酸剤を必要とする方は、実際にはごく一部であるというのが実感です。

 

要注意の薬剤

 

●眠剤(ベンゾジアゼピン受容体作動薬)

 医学書などにも「ベンゾジアゼピン受容体作動薬は、認知症疾患と診断する前に、ぜひとも中止すべき薬剤」と記載されていることは確かです。
 しかしこの種の薬剤が、現場ではやめるのが最も難しいのも事実です。早ければ2週間ほどで依存が形成されてしまい、本人がやめることに強固に反対しやすいこと。そして認知症症状の一つとして不眠症状があり、その症状に巻き込まれて介護家族が疲労していることが少なくないためです。

 

「体にも脳にも悪いので、眠剤は絶対に処方しません。」と主治医が言い切ったその先に、次の解決策の提示はあるのでしょうか?そこが個人的にはとても気になるところです。巻き添えを食って眠りを妨げられる家族の健康を想い、背に腹はかえられないと処方することも多いのが事実です。。

 

要注意の薬剤

 

 大切なことは、「この薬にはこのような副作用がある」「こういうデメリットが起こりうる」という情報を、まずは本人と家族の前にしっかりと提示すること。その上で、そのリスクを押してでも薬を使う必要性があるのかを相談するということでしょうか。