中核症状改善薬の少量投与

 

 コウノメソッドでは、中核症状改善薬(=中核薬 いわゆる認知症の薬)の使い方のルールを、こんな風に表現しています。

 

中核薬の少量投与

 

 1番少ない用量から始めて、少しでも改善効果が見られたら、無理してそれ以上増量せず、そのままの用量で維持する、という考え方です。また1番下の用量でも副作用が出た場合は、さらに減量したり中止を検討するなど、きめ細やかな対応を求めています。

 

 例えば小児科では、薬を体重1kgあたり〇mgと計算して処方します。ヨチヨチ歩きの1歳児と大柄な中学生に、同じ1錠の薬を出すのは乱暴だ、ということは誰でもわかりますよね。でも、それは成人でも同じです。80歳台後半で体力が落ちている高齢女性では、体重が30kg台ということはあります。このような方に、60歳の屈強な男性と同じ量の薬を飲ませるのは、やはり乱暴ではないでしょうか?

 

 体重だけの問題ではなく、内臓の機能面においても同じです。高齢になると、肝臓や腎臓といった内臓の働きも低下するため、薬の副作用に対しても脆弱になるのです。ですから一律にみな同じではなく、一応の基準は持ちつつも目の前の方の個別の事情に応じて薬を調節する、という視点が間違いなく大切なのです。

 

●どういう方に低用量?
脳外科医である平川亘先生は『認知症のかんたん診断と治療』の中で少量投与について具体的な提案して下さっています。

 

中核薬の少量投与

 

 特に、下のグループの方については、通常よりさらに低用量で経過を見ることを勧めています。

 

中核薬の少量投与

 

レビー小体型認知症の大切な特徴の一つに‘薬剤過敏性’があるので、レビーの方は超高齢でなくても、低用量で経過を見るのが安全です。

 

●具体的にはどのくらい低用量?

 

中核薬の少量投与

 

黒字で記載しているのが、添付文書(メーカーが作成する使い方の説明書)に記載されている薬の使用法です。その隣に赤字で記載しているのが、低用量の使用例です。おおむね通常量の半分と考えればいいかと思います。