レビー小体型の傾眠には即介入!

 レビー小体型認知症は、別名「意識障害型認知症」とも言われ、傾眠が特徴の一つです。認知症の方の中には昼夜逆転して昼間眠い方もいますが、レビーの方は昼も夜も眠いのです。

 

 診察室でも、車いすの上でウツラウツラ寝ていて、話しかけると「はい…」と何とかお返事をするのですが、家族の方と話している間にまた涎をツーっと垂らしながら寝てしまう姿が典型的です。介護職に携わっている方なら、そういう方数人がパッと頭に浮かぶのではないでしょうか。
こんな方に長谷川式をやると点数はいたって低く出ますが、これはそのままの認知機能だと受け止めない方がいいと思います。私たちで言うと、徹夜明けのもうろうとした頭でテストを受けさせられているようなもので、頭の中に霧がかかっているような状態ですから、本来の実力を発揮できていない可能性が大です。
レビーの傾眠には即介入!

 

 またレビーの方の過去を振り返ってみると、原因不明の意識障害で繰り返し救急搬送されたエピソードがある方がいます。救急外来で一通り精密検査をされますがあまりこれと言った異常がなく、点滴などして様子を見ているうちに何となく目が覚めて「脱水だったのでしょう」とかなんとか言われて帰宅になったり。これは脳幹部の虚血が関わっているとも言われていますが、レビーに特徴的な所見です。

 

レビーの傾眠には即介入!

 

 レビー小体型の意識障害は、陽性症状のように周りが迷惑だったりする訳ではないので、何となくそのまま放っておかれていることが多いですが、実は早くから介入した方がいいです。ただでさえパーキンソン症状があってふらつきがあるのに眠いのでは転倒の危険が増しますし、食事中にお椀に顔がつきそうなほど眠い方では誤嚥性肺炎のリスクが高まります。食事が十分に摂れなくて栄養状態が悪化したり、体の活動性が低下するなど、ボディブローのようにじわじわ命を縮める方向に働いてしまうためです。

 

 この眠くて眠くて仕方がないレビーの方を、スカッと目覚めさせてくれるのが、二コリン注射(シチコリン注射)と呼ばれる注射です。

 

レビーの傾眠には即介入!

 

 4mlのアンプルを同量のブドウ糖に溶いてi.v(静脈注射)すると、なんと早い方ではと注射液が入っている最中から目があいて、話し始めたりします。私はこの時のご家族が驚いたり喜んだりする瞬間を見たくて、できるだけ初回の時には立ち会うようにしています。それくらい劇的です。その場でははっきりと効果が感じられなくても、帰りの車の中で話をし始めることも。

 

レビーの傾眠には即介入!

 

 再び一定期間(シチコリンの効果は一般的に4-5日)が過ぎる頃に傾眠になるようであれば、定期的にシチコリン静脈注射をするか、シチコリン成分のサプリメントであるCDPコリンを内服するという方法もあります。

 

レビーの傾眠には即介入!

 

 アメリカのサプリでカプセルが大きいので飲みにくい…という場合は、カプセルを開けて中身だけスプーンに出して飲んでも大丈夫です。レモンのようなすっぱさで、ハチミツやヨーグルトに混ぜてもいいです。