医者は栄養について無知である

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医者は栄養に無知である

 

 医者は、基本的に栄養について無知です。
「わざわざ言われないでも、そんなこと知っている。」
という方は、どうぞスルーして下さい。

 

 でも外来での患者さんの言動からは、医師は専門家として病気に関するあらゆることを熟知していると思っているのでは…と感じることがあるので、一応書かせて頂きます。
*もちろん全ての医師が無知という訳ではなく、あくまで傾向の問題です。

 

理由1)栄養についてあらためて講義を受けたことがないから

 医学部の講義は、基本的に循環器内科、消化器内科、内分泌代謝科、というように、内臓の機能による科ごとに系統だって行われます。もちろんその講義の中で、チラリと栄養について触れることはありますが、あくまでもチラリと。おまけ程度です。
  医者は栄養に無知である
 たとえば糖尿病についてなら、「食事指導はカロリー制限法で行われる。」という一行程度で終了。なぜこの方法が選ばれたのか、具体的にこんな風に指導します、問題になりやすいところはどこか…などと踏み込んだものではありません。聴いた方も興味を持ちようがないほどの塩対応。現に講義や実習中に自分自身がカロリー制限法の食事指導を受けた経験がある医学生は、ほとんどいないのではないかと思います。
 なぜそうなるかと言うと、講義を担当している医師自身が、栄養にさして関心がないから‥でしょうか。身も蓋もなくて申し訳ありませんが。
 「食事のことを指導するのは栄養士の役割」という意識もあるのでしょう。講義が行われる医学部の大学病院では、栄養指導は必ず栄養士に依頼するので、医師自らが行うことはありません。栄養指導の現場を一度も見聞きしたことがなくても、形式的には診療は進んでいくのです。

 

理由2)医者の役割は、検査と薬の処方だと思っているから

 これはさすがに言い過ぎかも…と私自身も思います。言い過ぎであってほしいと思うのですが、残念ながらそういう医師もいるのは事実だと思います。
理由1で述べたように医者が「食事指導は栄養士の役割」と思っているのなら、ではあなたの役割は?と問われた時に、‘医者しか出来ないこと’として検査や薬剤処方が残るというわけです。
医者は栄養に無知である
 ここが専門家の落とし穴で、どうしても目の前の問題に対して、自分の武器(自分しか出来ないこと)を使って戦おうとしてしまうのです。栄養についてああでもないこうでもない、と患者さんと話をするのは、はっきり言って面倒くさい作業です。踏み込んだ食事内容を聞いて全体像を把握するのも、本人がどこまで生活スタイルをかえてもいいと思っているのかを探るのも、理想と現実を照らし合わせて今回の落としどころをどこにするかを決めるのも、非常に骨が折れます。
それが伝家の宝刀フレーズ「薬を出しておきます。」なら、5秒で終了! 5秒は大げさでも、大幅に時間を短縮できることは確かです。

 

 そのために栄養士がいるんでしょ、役割分担して何が悪い!という考え方もあるでしょう。ごもっともです。医師と栄養士の間に、考え方の軸が一致していて、強固な信頼関係で連携しているのなら、それもありです。でも実際は、お互いがバラバラに作業をしていて、互いのやっていることに関心もない、どんな指導がされているのかよく把握もしていない…ということはよくあります。医師から栄養指導が切り離されたことで、栄養への無関心が加速している…と感じています。
医者は栄養に無知である
 すると、外来で血糖コントロールがよくない時に、本当は食事内容をきちんと見直せばよくなる余地があったとしても、そこにはほとんど触れずに
「データが悪化したので、薬を増やしましょう。」
となってしまいやすいのです。
 薬の副作用を減らすことは、健康上の重要課題です。そのため医者の臨床能力は「薬以外のよくなる選択肢を、いかにたくさん持っているか?」だと思っているのですが。

 

 嘆いてばかりではいられません。患者さん側としての自衛手段の第一歩は、まずは現状把握です。
「先生、食事に気をつけるようにとのことですが、どういうことに気をつければいいでしょうか?」
助言を仰ぐ体裁で、医者の栄養レベルを確認しておきましょう。栄養に無知な医者はここで一発KO、目が泳いであいまいな表現をしたり、逆切れされてしまうかもしれません。その場合は、それ以上は追いつめてはいけません。協働して前に進むことはいさぎよくあきらめ、自分でしっかり勉強することを覚悟しましょう。
 もしここで、具体的な方法を説明してくれる医師であった場合は幸運です。ぜひ自らの食生活の詳細を伝えた上で、一緒に進んでいきましょう。