コレステロール冤罪事件

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コレステロール冤罪事件

 

 この70年間、私たちはコレステロールに本当に失礼な対応をしてきました。
1950年代からマクガヴァンレポートの時代を経て、コレステロールをずっと動脈硬化性疾患の犯人として悪者扱いしてきたのです。
コレステロール冤罪事件

 

 狭心症などで狭くなった血管を調べたところ、近くにコレステロールがいたから、コレステロールを動脈硬化の犯人に仕立て上げてしまったのです。現在では、コレステロールは、傷ついた血管の修復をしてくれていたことがわかっています。火事現場にもれなく消防士がいるからと、消防士を放火犯として疑うとは失礼も甚だしいことです。(ケトン体も同じ構図で悪者にされていました)

 

 食の欧米化(肉や卵、バターの摂り過ぎ)が脳梗塞・心筋梗塞などの心血管イベントの原因になるとされ、
「肉は控えめにして、魚をしっかり食べなさい」「卵は1日1個まで」
健康意識が高い方にとって、これらは‘健康の常識’でした。

 

 しかし2014年6月Time誌の表紙に、衝撃的なタイトルが載りました。
コレステロール冤罪事件
「Eat Butter(バターを食べろ)」

 

 2015年米国の保健福祉省と農務省が「食事の脂質成分を減らしても、血中の脂質濃度は減らない。」と明言しており、食事の脂質については制限を設けないこととなりました。コレステロールの8割が肝臓で合成されており、食事から摂取したコレステロールがすぐに血中のコレステロールに反映される訳ではないこと、一部で一時的に上がったとしても、長期的に見ればホメオスタシス(体が一定の状態を保とうとする動き)によって落ち着いてくることなどがわかったためです。昨日までの白が、あっという間に黒に変わったのです。大腸癌・乳癌・心筋梗塞などの疾患についても、低脂質のグループでもリスクは減らないことがわかっています。

 

 コレステロールに濡れ衣を着せていた真犯人は?「またお前か…」という感じですが、糖質が動脈硬化の真犯人だったのです。食後に高血糖となることで血管の内皮細胞が傷つけられ、動脈硬化をきたすと言われています。

 

 コレステロール犯人説に基づき、これまではコレステロールや中性脂肪が基準値より高い中高年には片っ端からスタチンと呼ばれる高コレステロール薬が処方されてきました。
 しかし、脳の神経細胞を包む膜はコレステロールから出来ており、脳の乾燥重量の60%は脂質であることからも、脳にとって脂質は非常に重要な存在であることがわかってきました。必要もないのに薬を使ってこれらの数値を下げようとすることは、脳や神経に悪影響がある(認知症やうつ病が引き起こされる)と言われています。

 

 現在の私は、外来で謝りながら多くの高齢者のスタチンを休薬にしています。
「卵は1日何個でも食べていいですよ。」
「肉も魚も我慢しないでしっかり食べて下さいね!」と声をかけながら。
え〜〜!と驚かれながらも、皆さん案外と嬉しそうです。

 

わが家の昨晩の晩ご飯も、豚の角煮でした。
コレステロール冤罪事件