ケトン値測定の実際

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ケトン値測定の実際

 だいぶコンセンサスが得られてきた糖質制限法ですが、江部先生が情報発信を開始したばかりの初期には、多くの批判にさらされていたこととお察しします。

 

議論の中心になったキーワードの1つが「ケトン体」でした。

 

 今回は「そもそもケトン体って何なの?」という基本的なところから。
人が糖質を摂っていない状態で脂肪を分解してエネルギーを生みだす代謝過程をケトン回路と呼びますが、その代謝の過程で出てくるのがケトン体です。アセトン、アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸という3成分の総称です。

 

体内でケトン体が高くなるのは、
1)脂肪からエネルギーを生み出すケトン回路が回っている時
2)糖尿病の方の状態が著しく悪化し代謝異常をきたすケトアシドーシスという状況に陥った時
の2パターンです。

 

 今回はケトン体の測定について書いてみます。
ケトン体を迅速に測定する方法は2つ。
1つは尿試験紙(スティック状の紙)でketon(+・−)を判定する方法。これは価格もあまりかからず、尿試験紙の入手も比較的簡単ですが、定性評価(+か−)です。
ケトン値測定の実際

 

 そしてもう一つの方法は、ケトン測定用の簡易機器を使って検査をする方法。こちらは定量評価(〇mmol/L)なのでより正確であることが最大のメリット。本気でケトン体と向き合おうと思えばこちらお勧めですが…3つのハードルを越える必要があります。
ケトン値測定の実際

 

ハードル1)ケトン測定器を入手する必要がある
 読み取り機本体が8000円前後と、「ちょっとやってみるかな」というには値段が張ります。入手も、2020年現在ではWeb上で自分で購入しなくてはいけません。

 

ハードル2)測定1回1回のコストが高い
 測定器は一度入手すれば続けて使えますが、先端部は使い捨てで1回ごと。これが1回にすると300円前後。使い捨てにしては高いとも言えます。

 

ハードル3)血液を採らなくてはいけない
 少量ではありますが、毎回血液で検査をするので、針で穿刺して血液を採らなくてはいけません。医療者ではない方の場合、もしかするとこちらの方が高いハードルになるのでは…と思います。 
検査の手技そのものは、非常にシンプルで簡単。少しだけコツがありますが(血液をしっかり絞って最低限量を確保するということだけ)何回かやれば誰でもすぐにマスターできるでしょう。

 

 そして穿刺する痛みについても、意外なことにほとんど気にならないほど痛くありません!私は子供の頃から注射が大嫌いで、今でもそれなりに痛い手技に対してはビビリです。「血糖測定の穿刺は針が細いから痛くない」と医師が教科書で書いているのを読んでも、内心「針を刺して血が出るのに、痛くないワケないでしょう。」と思っていました。糖尿病で自己血糖測定をしている方のことも、「大変だろうな〜痛いだろうに…。」と思って尊敬していたくらいです。
 でも今回、ケトン値を知りたい一心で思い切ってやってみたら、本当に痛くなくて驚きました。

 

「針を刺して血をとるなんてありえない!」と思う気持ちも、よくよくわかりますし、最初からやらなくてもいいと思います。でも色々なことを学んで食事の工夫をして、自分の状態を客観的に知りたい!という知的好奇心が育ってきたら、ぜひチャレンジしてみて下さいね。ハードルを越えただけの価値はあると思っています。応援します。

 

実際の様子をイメージしやすくするために、ケトン体測定を実際に行っている動画もつけておきます。