ケトン体は危険?!

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ケトン体は危険?

 

 糖質制限がまだあまりよく知られていなかった頃に、これを否定する根拠として
「糖質制限をするとケトン体が高くなるから危ない。」
と言われていました。

 

 ケトン体とは、人が糖質を摂らなかった時に脂肪を分解してエネルギーを生みだす代謝の過程で出てくるもの。アセトン、アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸の総称です。

 

体内でケトン体が高くなる状況は2つ。
1)脂肪からエネルギーを生み出すケトン回路が回っている時
2)糖尿病の方がシックデー(感染症などで体調が悪化する状況)などを引き金として代謝異常をきたしケトアシドーシスという状況に陥った時

 

ケトン体は危険? 

 

 糖尿病において、ケトアシドーシスに陥ることは最重症の危険な状態です。1時間刻みで血液検査を行いその結果を元に点滴内容を調整する必要があり、若い方でも意識障害をきたし命を落とすことがあります。糖尿病に関わる医師が‘ケトン体’という単語に敏感に反応するのは、そのような背景があります。

 

 ただ、ケトアシドーシスは「インスリン作用が欠乏することで、高血糖なのに細胞が糖をとりこめず、全身の代謝異常に陥る状態」です。細胞がエネルギー源として糖をとりこめない結果、やむなく脂肪が分解されてケトン体が血中に出てケトン値が上がるというだけで、ケトン体があることが問題ではなく、インスリン欠乏による著しい高血糖と代謝異常が問題の本質なのです。

 

 人間の体は元々エンジンが2系統備わっています。糖質からエネルギーを生む解糖回路と、脂肪酸からエネルギーを生むケトン回路。このうちケトン回路は、糖質が存在する場合には動かず、糖質が存在しない場合に初めてその役目を発揮します。ケトン回路が回る過程で血中のケトン体値が上がるという訳です。
 常に糖質を摂っている現代人では、ケトン回路は滅多に役目を発揮するチャンスがないため、医師もケトン体値が上がる状況に慣れていませんでした。そのため「ケトン体値が上がる」という結果だけを見て、最重症の緊急事態であるケトアシドーシスと混同し、
「ケトン体が上がっている!危険だ!!!」
と慌ててしまう…という訳です。

 

 火事の現場にかけつけてみると毎回消防士がいます。「だから火事の原因は消防士だ!」とは…なりませんよね。ケトン体がいるからと、ケトアシドーシスの犯人をケトン体とみなすことは、火事場の消防士を犯人に仕立て上げることと同じで、冤罪なのです。

 

 強固な思い込みである「ケトン体=どんな時も危険説」に関して、産婦人科医である宗田哲男先生が、世界で初めてある報告をされています。

 

ケトン体は危険?

 

 それは胎盤内のケトン値, 胎児・新生児〜生後4か月までの乳児の血液中のケトン体値が高いということ。母体が糖質制限をしていようがいまいが関係なく、です。これはすなわち、新生児はケトン体をメインエネルギー源としているケトジェニックな生き物であるということを意味します。人間の本来の生き方を考える上で重要な道しるべとなる、世紀の大発見です。それまでは「母親である妊婦が高ケトン状態だと、知的発達に問題がある子が生まれる」と脅かされていましたが、この発見によって明確に否定する証拠が揃いました。

 

 しかし、ケトアシドーシスを警戒する糖尿病の医師にはいまだにこの感覚が強いようで、ゆるい糖質制限を提唱されている医師の書籍にさえも「ケトン体が1000μmol/Lを超えると危険」と書かれています。

 

 人類は700万年歴史のうちほとんどの期間を、穀物を常食とせず、狩りなどで命をつないできました。獲物があった時に肉や魚を食べる生活は、ケトジェニックな生活そのものです。当然血中のケトン体は常に高かったはずで、仮にケトン体が命を脅かす危険なものであれば、人類は700万年のあいだ、生き延びることはできなかったはずです。

 

ケトン体は危険?

 

 実際のところ、糖質制限を実践する立場としては、ケトン体をチェックして高めの数値が出ることは、合格点をもらったようで士気が上がるのは事実です。

 

ケトン体は危険? 

 

「いま、あなたの脂肪が燃えていますよ!」ということを数値でしっかり示してくれる訳ですから。ケトン体は脳神経細胞を保護する役目もあると言われており、アルツハイマー型認知症予防の要でもあります。